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  • カフェや喫茶店の経営が難しいと感じているオーナーに向けた解説

カフェの経営

カフェ経営は様々な理由から人気が高く、毎年、多くのカフェが営業を開始します。しかし、カフェの経営を安定させる事は決して容易な事ではありません。廃業に追い込まれるカフェオーナーも多いのが実情です。

この記事では、カフェの経営を改善する為の方法について解説します。

※この記事では「カフェ」という用語を主に使っていますが、「喫茶店」の経営においても通用する内容となっています。喫茶店のオーナーの方も、ぜひお読み下さい。

カフェの経営状態についてのデータ

最初に、日本のカフェ経営に関するデータを確認しておきましょう。

2019年度末のカフェの数は187,373施設となっています。5年前の2014年度末時点では、228,720施設でしたので、カフェの数は減少傾向にある事が解ります。

ただし、2019年度のカフェ営業の新規許可は17,613件あり、2019年度末の施設数に占める割合を計算すると、9.4%になります。ですから、単純に考えると、2019年度末に営業しているカフェの内、1割弱のカフェは1年以内に営業許可を受けた店という事になります。

そして、この傾向は2019年度だけではありません。過去5年間について同じ割合を計算してみると、どの年度も9%を超えている事が確認できます。過去5年間の平均では9.5%となります。

勿論、それだけの新規開店があるにも関わらず、カフェの数が増えていないという事は、それだけ多くの閉店(廃業)があるという事です。過去5年間の廃業数を確認してみると、毎年度、12%以上のカフェが廃業している事が解ります。

このようなカフェの営業状況に関するデータからは、「カフェは新規開店も多いが、閉店(廃業)も多い」という事が確認出来ます。

※カフェに関するデータは厚生労働省の衛生行政報告より。なお、統計上は喫茶店営業についてのデータ。

カフェの経営環境をどう考えるべきか

しかし、閉店が多いというデータだけで、「カフェの経営は難しい」や「カフェを経営を成功させるのは厳しい」と決めつけるのは早計です。

カフェの閉店が多い理由には、カフェの経営特有の事情があるからです。

実は、「一般的な事業と比べて、カフェは短い間に閉店するのが予定通りである」というケースが多いのです。

カフェを開くにあたって、「事業を拡大させ続けていきたい」や「何十年・何百年と続く店(企業)を作りたい」という覚悟をしている経営者は少数です。

「老後に店を開き、自分が続けられる間だけ頑張ってみたい」という考えで個人が開業するケースも多いですし、「一定期間だけ営業できれば良い」という考えで企業がオープンさせる店も少なくありません。

カフェの経営が破綻する2つの理由

とは言え、事前に考えていたよりも「経営が厳しい」と感じているカフェの経営者(カフェオーナー)が多い事も確かです。

カフェの経営が厳しい場合、その背後には、

  • 大手カフェチェーンとの差別化が出来ていない
  • 顧客ニーズに十分に応えられていない

という、2つの事情がある事が通常です。

大手カフェチェーンとの差別化が出来ていない

日本には、いくつかの大手カフェチェーンが存在しており、今も店舗数を増やし続けています。

そして、大手カフェチェーンは、「顧客のカフェに対するニーズ」の分析と対応に余念がありません。この為、実は、一般的な「カフェへの需要」は、大手チェーンの店舗によって対応されてしまっているのです。

また、大手企業ならではの強みを生かして、「店舗作り」や「仕入れ」を行っていますので、残念ながら、多くのカフェ(個人店や小規模チェーン)が大手チェーンの店舗と真っ正面から勝負して勝つ事は難しいのです。

勿論、独自性があり、大手チェーンとは異なるニーズに対応する事が出来れば、大手チェーンの事を過度に気にする必要はありません。そして、カフェオーナーの多くは、「自店舗は大手チェーンとは全く違うものを目指している」と考えています。

しかし、その価値が顧客側には伝わっていない(顧客に認めて貰えていない)ケースは少なくありません。そのような場合、実際には、大手チェーンと真っ向勝負をしている事になります。

顧客ニーズに十分に応えられていない

カフェが狙うべきニーズは様々です。基本的には、オーナーが考える「コンセプト」に沿った「ニーズ」を狙えば良いでしょう。

しかし、経営を成立させる為には、一定以上の「顧客数・注文数」や「単価」を獲得しなければなりません。そして、それが実現できるかどうかは、「顧客への強い訴求が出来るかどうか」にかかっています。

どれだけオーナーが、「○○に拘っているから、それに見合った金額を支払って欲しい」と考えても、お客様にその価値が認めて貰えない限り、それは難しいのです。

その一方、立地が悪かったり、特殊なニーズにしか対応していなかったりするようなカフェであっても、顧客が遠くから来てくれるような店であれば、経営は成立する場合もあります。

結局、カフェの経営の成功は、「自店舗が満たそうとしている顧客ニーズを、本当に高いレベルで(顧客に対価を払って貰えるレベルで)満たせているかどうか」にかかっているのです。

カフェの経営が恵まれている点

昨今、カフェは多くの人にとって不可欠な存在となっています。ですから、一定の水準を満たしている限り、カフェへのニーズは確実にあります。

そして、カフェが狙うニーズについても、様々な方向性が考えられますし、カフェの情報を熱心にチェックしている潜在顧客も少なくありません。

ですから、カフェの「顧客への訴求」は行い易いのです。また、カフェの経営改善を行う事になった場合の対策も、「効果は表れやすい」傾向にあります。これらは、カフェの経営が恵まれている点であると言えるでしょう。

カフェの経営改善の為に行うべき事

実際にカフェの経営改善に取り組む場合には、まず、自店舗の存在意義をしっかりと固め直すようにして下さい。

これは、「大手カフェチェーンとは違う、自店舗が狙う顧客ニーズとは何か」という事を検討する作業になる場合が多いでしょう。勿論、近隣に他のカフェがあるのであれば、その店舗との差別化を考えた方が良い場合もあります。

また、自店舗の事業計画もしっかりと作り直す事です。それによって、実際に、「自店舗が運営していく為に満たすべき条件」を確認する事ができます。また、「目標とする経営状態」も明確になります。

その後で、具体的な施策を検討し、実行していく事になります。

施策では、「新規顧客の獲得」「リピーター率の上昇」「客単価の上昇」といった目標を目指す事にはなりますが、カフェの経営改善の場合、そこまで数字を追わなくても、ここまでの作業が問題なく出来ていれば、結果はついてきます。

カフェの事業計画を作る難しさ

ただし、「カフェの事業計画の作成」を甘く考えないようにして下さい。

カフェの開業自体は意外と簡単にできてしまう為、起業時にしっかりとした事業計画を作成していないカフェオーナーは少なくありません。

この為、経営改善にあたって改めて事業計画を策定する事になると、「本来は、こんなに大変な事をしなければならなかったのか」と驚かれる事が良くあります。

特に、カフェと一言で言っても、その事業の実態は店によって大きな差がある事には注意が必要です。カフェという大きなグループの中に、細かいカフェの種類があると考えて頂いた方が解りやすいかもしれません。

そして、そのような点をしっかりと踏まえて検討しない限り、適切な事業計画は作れないのです。

踏まえるべきカフェ経営の多様性

その意味が良く解らない方は、以下に「カフェ経営の多様性」に関する一例を挙げますので、それぞれのカフェ事業の運営を思い浮かべてみて下さい。

  • テイクアウト主体の店と、店内での飲食が主体の店
  • フードが良くオーダーされる店と、ドリンク主体の店
  • (フードの内訳として)食事がメインの店と、スイーツが主体の店
  • 流行の商品を積極的に開発している店と、定番商品を提供し続ける店
  • 新規の客が多い店と、リピーターに支えられている店

同じカフェという業態であっても、これらの要素によって、経営に関する要素(費用や労働時間の使い方、利益率など)が大きく異なる事は、理解して頂けるはずです。

具体的なカフェの経営改善の方法

前述の通り、カフェの経営には恵まれている点がある一方、カフェオーナーの方が考えているよりも難易度が高い点もあります。

当社がカフェの経営について相談を受けた場合には、まず、オーナーの方の「カフェへの思い」を十分にお聞きします。その方向性を無視した経営改善は、結局、オーナーからカフェ運営への情熱を奪う事になり、意味がないからです。

その上で、目標とする経営状態の為には、「何が足りないのか」という事を分析させて頂き、「現状の数字を、どのように考えるべきか」という事について、説明させて頂きます。

そして、今後の方向性についてオーナーの方と議論させて頂き、具体的な事業計画や施策を固めていきます。勿論、方向性や施策の実効性については、外部の視点で厳しくチェックを行います。

このような段階を踏む事によって、カフェの経営改善を着実に実現させる事が出来るのです。

なお、個人の方がカフェを開業される場合には、単に「事業を立ち上げて成功したい(儲けたい)」という目的ではなく、「自分たちの人生を豊かにする為に、カフェの経営を始めたい」と考え、開店される事が少なくありません。

ですから、当社で個人のカフェオーナーの方からの相談を受けた場合には、単にカフェの経営改善だけをお手伝いさせて頂くのではなく、その方と周囲の方の人生がより良いものになるように、ファイナンシャルプランナー(FP)を入れて、個人のライフプランも含めた検討をさせて頂く事もあります。

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