経営コンサルタントの必要性と活用方法
経営にコンサルタントを活用する会社は多く存在します。その一方、「経営コンサルタントの必要性について良く解らない」といった声も聞かれます。
この記事では、「経営コンサルタントの必要性」や「経営コンサルタントの活用で失敗しない為にはどうすれば良いのか」といった点について解説します。
経営コンサルタントとは
経営コンサルタントとは、「経営についてアドバイスをする専門家」です。
もう少し具体的に業務を説明すると、「現状を改善する方法が解らなくなってしまっている会社に対して、進むべき方向性を提案する」や「経営者が正しい経営判断をする為のサポートをする」といった業務を仕事にしています。
方針を考える所までを専門にしているコンサルタントもいますし、施策の実行部分について、かなり具体的な所までサポートをするコンサルタントもいます。
そして、経営コンサルタントは、このような業務を行う為に、「分析」と「経験による直感」を組み合わせて方向性(仮説)を見つけ出し、それを「調査」や「シミュレーション能力」によって、「確度の高い提案に仕上げる」という作業を行います。
※全てのコンサルタントに当てはまる内容とは限りません。
様々なコンサルタントの種類
詳しい説明に入る前に注意喚起しておきたいのですが、「コンサルタント」という言葉が指し示す範囲は非常に広いです。コンサルタントの中には、かなり特殊・専門的な部分を得意とするコンサルタントもいます。
価値があるのであれば、「経営に役立つコンサルタント」である事は間違いありませんので、様々なタイプのコンサルタントを「経営(に関係する)コンサルタント」と呼ぶ事に問題はないでしょう。
しかし、「コンサルタントの種類」が多い事から、「自社が必要としているコンサルタントとは違う種類のコンサルタントに依頼してしまう」という問題が起きています。
ですから、コンサルタントを探す場合には、「自社が必要としているのは、どのようなコンサルタントなのか」という事には注意をして下さい。この点については、後でも取り上げます。
経営コンサルタントは必要なのか
以前は、「日本において、経営コンサルタントの活用に意味はあるのか?(必要なのか?)」といった議論もありました。しかし、経営コンサルタントの必要性については、既に結論は出ていると考えられます。
まず、大企業においては、コンサルティング会社の利用は極めて一般的です。守秘義務がありますので、その詳細は明らかにされていませんが、これは間違いありません。
もし、コンサルタントの活用に効果がないのであれば、コンサルティング会社を使い続ける会社は激減し、日本において大規模なコンサルティング企業は衰退している事でしょう。
しかし、そのような傾向は全く見られません。一般の方であっても、「メディアでの取り上げられ方」「新卒採用における人気」「業界出身者の存在感」などの要素から、コンサルティング会社の勢いについては予測して頂く事が可能なはずです。
また、「超大手企業」や「カリスマ経営者と呼ばれるようなリーダーが率いている会社」においても、コンサルティング会社は利用されています。ですから、「優秀な人材がいない会社だけが使うサービス」といった理解も適切ではありません。
また、中小企業においても、コンサルタントの必要性を疑う余地はありません。
中小企業庁が委託した調査では、「定期的な経営相談をしている中小企業は、経営相談をしていない中小企業よりも増収傾向と回答する割合が高い」という結果も出ています。中小起業においても、その必要性は広く認められているのです。
※中小企業の経営課題(と、その解決の為のアドバイス)については、別途、記事を用意しています。
自社と相性が悪いコンサルタントと契約してしまい、失敗してしまった会社はあるかもしれませんが、コンサルタントの必要性自体については、既に疑う余地はないと言えるでしょう。
経営コンサルタントが必要な3つの理由
勿論、経営コンサルタントを活用する義務はありません。しかし、自社だけで経営を行った場合、次の3つの点で問題があります。それが、コンサルタントの存在価値でもあります。
社外視点の欠如
1点目は、社内からは「社外の視点で見る事はできない」という問題です。
社外の視点で見る努力をする事は大切ですが、どれだけ頑張っても限界があります。「自社を取り巻く経営環境の変化」や「自社が外部からどのように見えているのか」といった点を、社内の人間が客観的に分析する事は不可能なのです。
その点、コンサルタントは「外部から、その会社を見る」という事を得意としています。そして、「外部からの評価(その会社の強み・弱み)」や「その会社が直面している経営環境」を踏まえ、「どのように会社の方向性を考えていけば良いのか」という検討をする事に長けています。
社内だけでは出来ない事がある以上、外部のコンサルタントを活用する事にメリットを感じる会社があるのは当然でしょう。
経営者の相談相手の欠如
2点目として、「経営者の相談相手がいない」という問題もあります。
経営者が難易度の高い経営判断をしたり、対応すべき経営課題について考えたりする上で、相談相手がいるのといないのでは、結果に大きな差が出ます。
しかし、「立場の違い」や「開示出来る情報量」などが原因となって、経営者は社内の人間に十分な相談が出来ないものなのです。ですから、社内で「経営者の相談相手」を用意する事は難しいのです。
相談相手というだけであれば、(経営以外を専門とする)社外の専門家と契約している企業も少なくありません。しかし、専門が異なると、「考える視点が自分とは異なる」と感じる経営者も多いのです。
その点、経営コンサルタントは、経営者と同じく、「経営の視点で考える」事に慣れています。また、経営者と話し合って、会社の方向性を検討していく作業にも長けています。そういった人材が必要な時に、経営コンサルタントを頼る事は自然な事なのです。
経営に関する専門人材の不足
最後の3点目は、「経営案件を扱う事が出来る人材が不足している」という問題です。
社内で「経営案件を十分に扱う事が出来る人材を育成したい」と考えている会社は少なくありません。
しかし、経営案件を扱う為には、専門的な知識や経験が必要となります。そして、「コンサルタントが所属する会社」と「一般の事業会社」では、そのキャリアの中で積める経験が全く異なります。また、日々で求められる知識も大きく異なります。
その差を無視して、「自社の社員に、経営コンサルタントと同じ能力を持たせたい」と考えても、それは無理な相談なのです。
日々の業務は自社の優秀な社員に任せるべきですし、自社だけでは経験を積むのが難しい能力が求められる作業には、そういった経験が豊富な人材を活用すべきです。
経営コンサルタント活用についてのアドバイス
最後に、経営コンサルタントの活用を成功させる為のポイントについて解説します。
上手な活用方法
経営コンサルタントを上手く活用して結果を出す為には、まず、「仕事の進め方については、出来る限りコンサルタント側の希望を受け入れる」という事をお勧めします。
同じお金を払うのであれば、「コンサルタントには、できる限りストレスなく仕事をして貰って、その成果を受け取る」方がお得です。
具体的には、コンサルタント側から「作業環境」や「打ち合わせ頻度」などについての希望が出た場合、可能な限り、要望を聞くようにして下さい。
また、コンサルタントが作業をする上では、一般の方が思われているよりも大量・多方面の情報を必要とします。ですから、コンサルタント側から出される「資料の提出依頼」や「現地の視察依頼」などについても、出来る限りの対応をする事をお勧めします。
失敗を避ける為のポイント
その一方、「そのコンサルタントが自社と相性が良いかどうか」については、しっかりと見極める事をお勧めします。
冒頭で説明した通り、コンサルタントには様々なタイプがいます。ですから、経営コンサルタントの活用を成功させる為には、「自社にあったコンサルタントを選ぶ」という事が大前提になります。
その為には、事前に「自社が、どのような成果を期待しているのか」といった事を、かなり明確に相手のコンサルタントに伝える事が大切です。そして、「(期待する)成果を実現させる事が出来そうか」という点について、相手のコンサルタントから十分な説明を受けるようにして下さい。
そのような努力によって、「自社が必要としているコンサルタントとは違う種類のコンサルタントに依頼してしまう」という失敗を避ける事が出来ます。
また、「自社が行う必要のある作業」や「追加費用が発生する可能性」などについても、しっかりと話し合っておくべきでしょう。失敗を防ぐ為には、こうした点についての話し合いも大切です。
経営コンサルタントをうまく活用する事が出来れば、自社の経営がレベルアップする事は間違いありません。この記事の内容を参考にして頂き、一社でも多くの会社がコンサルタントの活用に成功される事を願っています。
なお、当社では、「コンサルタントの活用」が不慣れな日本企業が多い事を踏まえ、「自社にとって、コンサルタントの必要性が解らない」や「コンサルタントへの依頼について不安がある」といった企業からの相談も受け付けております。
正式にコンサルタントに依頼する前に、コンサルタント業界を良く解っている人間に相談して頂く事で、「コンサルタント活用における失敗を防ぐ」という事が出来る可能性は高いでしょう。お気軽にご相談下さい。
経営コンサルタントの必要性と活用に関するポイント(まとめ)
- 経営においてコンサルタントを活用する価値については、既に疑う余地はないと言えるでしょう。実績や調査結果で、それは裏付けられています。
- コンサルタントを活用する事で、「社外視点の欠如」「経営者の相談相手の欠如」「経営に関する専門人材の不足」といった問題に対応する事が出来ます。
- コンサルタントには様々な種類がいます。失敗しない為には、自社にあったコンサルタントを選ぶ事が大切です。「自社と相性が良いかどうか」という点については、しっかりと見極める事をお勧めします。
- コンサルタントの活用について不安がある企業は、その点を専門の会社に相談する事もお勧め出来ます。当社でも相談を承っております。